2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧
教会の搭を時折見失い急な坂路あえぎつつゆく 関空の免税店にswatchを買う日本の時刻留めて
ゆきゆきて旅の遠野に倒れたる馬の夢想がここにとどまる
ひんがしの大戸を閉ざし人住まぬ門前に柿たわわに熟す 寒流1月号に投函
紅葉のトンネルの果て抜け出でて朝(あした)の低き虹に近づく
ここをねぐらときーめた
吉野杉霧らう林に真向かいて紅葉1樹が陶然と立つ 血管の息づくがごと葉脈が浮きて走れるうらもみじなり
太平の山の裾野の柿の木を置き去りにして移りゆきたり 置き去りにされたる柿の老木が4足を広げ竜となりたり
会う人の無き山里に一連の大根干され昼の陽を浴ぶ
俊成の自らの手の和歌集の墨のびやかに香たつごと 国立西洋美術館
嫁ぎたる娘と住むらしき増築の槌音ひびく銀杏散るなり
独り占めするにはカラス熟さざる柿の豊作に右往左往す I sing. Sing myself.Sing nature. Sing human. Haiku is not scream. It is of course not roaring. It is not sigh. It is not necessary yawn. Take a deep breath in it.(by Santoka)
朱き実をイルミネーション灯すかに天に散りばめ柿の里あり
くれないのしだれ椛が曲がり屋の木戸染めあげて夕映えにあり
板戸よりあかりが漏れて住む人のいる曲がり屋を夕闇つつむ ナマコ壁の防風柵
無人にてかっぱ売るらし遠野路に美形を選び連れて帰らな 久しぶりの晴天、山へ。ワン2.スコア82.
散策のふたりの距離を吹き抜けて川風川を恋しく戻る
1尺の黒塀の下の側溝を跨げば巷のカオスがさそう
ニシキギに石灯籠に錦鯉動かぬ池に初雪が降る
国盗りに奔るいくさのなき武士に黒塀何の矜持と言わん 雪の嵩家家に閉ざすを城内の姫は恋ゆえ勘当さるる
黒塀の内にはぐくまれし武士が蘭画を極め和歌興したり