Sun..山桜..37241

  山桜狂気孕みて枝張るを少年は見ずに自転車をこぐ

 
 惻隠の情はどんなこころにも勝るのではないかとこのごろ思う。日本人はとりたてて愛ということは言わなかった。というよりは言葉すら無かった。これですべては円く収まってきた。いま失われつつある大事な情感ではないかと言ったらどうだろう。
 今日のつばきは羽衣。なるほど、作った人の思いが伝わる。はなびらはまさしく薄絹の風情。
 玄関の呼び鈴が鳴って新茶がとどく。tsuyachanからだ。五月になると心待ちにしている自分がいる。午後のティータイムに頂こう。毎年ありがとう。