Mon. 寒立馬

  足太き馬寄りあいて吹きすさぶ岬の雪にみじろぎもせじ

立馬。なんだかあったかい。雪の上なのに。
喉の奥に異物感があって、癌だろうか、と思った途端これで死ねると感じた。うしろでノリさんはコーヒー豆をひいている。いいかおり。
旅行各社から、3月号の雑誌が届く。これらをめくりながら、テレビの欧州の旅番組を見ていると、次の海外旅行の候補地が名乗り出る。これまでもいくつかの旅を重ねながら、本当に旅が好きかどうかわからない。旅はいつも孤独との出会いである。遺跡をめぐればそれなりの、宮殿に入ればまた異質のもの。帰ってみるとここも寂しいところにかわりはない。また出かけるしかない・・だが一人旅は苦手である。ひとりぐらしも。
金子兜太より
霧の村石を投うらば父母散らん     酒止めようか どの本能と遊ぼうか