Tue. 長徳寺 ・ 散華

  十方(しほう)よりみ仏が訪う境内に散華となりてもみじ散るなり
  蓮台にすらりと立てる観音の裳裾に紅きけやき葉が降る
  裸木の明るき庭に陽を浴びて観世音菩薩すがしく立てり


  
        
     
鐘楼と観世音菩薩
今回のドライブの目的は5月以来ご無沙汰のお墓参り。長徳寺はノリさんの生家寺で弟が住職を務めている。こちらは黄葉が真っ盛り。
Flower
  カサブランカ両腕に抱き産院を帰る嬰児の重さ親しも
  産まざればみ寺の庭に立ちしより40年経て菩薩幼し
        

         
カサブランカ深川製磁の花瓶に生けて遺影たちの傍に。家中にユリの香りが漂う。昨日は秋の花々を実家の仏壇に供えた。どちらも投げ入れ。仏花のスタイルは好まない。フワーと華やかにパステルカラーを選ぶ。敢えてバラを選んだりもする。
しかし本堂の須弥壇は立花がきまる。先代住職の義父は古流の流れを汲む腕の持ち主でさりげない1輪挿しも茶花も心にしみた。正月のオモトの葉組みと赤い実の生花は独壇場で、2間の床の間の花も父も凛としていた。