やわらかな春雨のような寒中の雨に包まれ君を見舞いぬ
  一枝を切りし椿はたちまちに窓辺にうぶな朱をほころばす
  唐突に君が病いを得てしよりすがる物なく睦月は終えぬ
  あたらしき月の初めのあしたにはなにかよごとの生るる予感が
  はらからや二人の子らや甥と姪君がいのちを集いてねがう