Mon.ブナ林6  雪もみじ・根開きの輪

  雪もみじ敷くをあまたのブナの実のみのり鋭くけもの知るべし
  雪紅葉はげしく積もりブナ林の雪解しずかに水をたたうる
  薄れゆく記憶の影に少年の日の出来事を聞くをたのしむ

    
雪もみじ、という言葉は見事なネーミング。ブナの雄花と冬芽を覆っていた芽鱗(がりん)が散った様子をそう名付けた。
根開きの輪、と言い山男たちは詩人だ。それに春の雪は締まると知ってまた驚いた。その上を気軽に走るカメラマンの足元が不思議だったから。