Mon. もっこうばら 藤棚

  緑陰を朝(あした)照らしていっせいにもっこうばらのアーチ咲き満つ
  池の面に映る花房ゆらしつつ藤紫の風起こりたり


       





千秋公園





essay 留守番
今年の花は全体かなり遅い。数年前10日間ほどの旅に出るために、猫の世話とともに留守番を姉に頼んだことがある。慣れない所での一人住まいは不安だろうにと心配したが、帰ってみると案外快適に過ごしたらしいので胸をなでおろした。
日中は近所の温泉に友達を誘ったりして、彼女なりのエンジョイぶりであった。それでも長い逗留を慰めたのは、もっこうばらだった。咲き始めから満開を経て散り際までたっぷりひとり占めした。よっぽど気に入ったらしく、以来5月になると電話してくる。もっこうばらは姉の預かり物のアーチみたいな存在になった。ことしは何時もにまして豪華だが、肝心の姉はひょいとやってくる元気がなくなった。こんな記念もある。