Mon. 十和田湖2 氷珠

        



☆ 新緑だ、紅葉だと十和田湖の景色を論じ合うのは、さび抜きの大間のまぐろのにぎりに舞いあがっているみたいなものでした。冬のことははなから見たことがないのだから論外なのです。難儀は覚悟の上で出かけることをお勧めします。

 人影のない湖畔の午後を厳しい風に向かって行くのは、足元を雪に取られてよろよろするのと相まって、後悔の心拍数が早鐘のようです。
 前方の3人の後ろ姿を見失った頃、ひとりの女性が現れて、雪雲が向かっていてもうすぐ寒さが迫ってくるから気をつけて、と声をかけてくれすれ違って行きました。ここに住んでいるらしくて散歩なんだそうです。今になって思い出すとはたしてうつつなのかどうだか妖しい気分です。


ダブルシーン
        





        
        住む人の無い家の窓ガラスに陽射しが絵を画いて遊んでいるみたい