Tues. 十和田湖3

        





        


☆ 今まで何度も来ているのに、冬の湖は千変万化の顔を見せてくれて、全く印象が違いました。ところどころによって氷の具合いが異なり、水の色が刻々と移って行くので見飽きません。また声がかかればきっと行ってるだろうなあ。ぬかるんだことなど忘れてしまって。帽子はどこで無くしたのかしら、それどころではなかった風に吹かれたことなども。
☆ 国の内外の旅を通していろんな経験を積んできたのに、観光のツアーは娯楽。雪をこいで全身自分の脚を頼って進むしかない冬の撮影こそたびの真髄です。
 太宰治の文学を評して、ボディビルをやったら治ってしまうようなもの、と言ったのは三島由紀夫。実際体格の変容に成功した彼は筋肉が自慢でしたが、真逆の理由と方法でふたりとも死んでしまいました。
 何しろここは雪中行軍遭難事件があった八甲田山系に連なる豪雪地ですし、アメダス積雪日本1を記録した酸ケ湯温泉も観光圏内です。
 ひと冬十和田湖周辺を歩きまわったら誰でも足腰ばかりか、心根までもたたきなおされるであろうのに。富士の中腹にどれほどいたって所詮ちがうわ。