Wed. vase

  花よりも華ある花瓶さまざまに生ければ花も葉もこばまれる  
      
花のような花瓶。フランスから大切に運んできてくれた。200年はなるガラス製とおっしゃる。アンテックだから、箱はない。直接紙でくるんで、ラテスでラッピンング。初めて会う息子のフィアンセの母への贈り物を、あのフランスであえて当世ものを外した審美眼に敬服した。
母堂は画家で、世田谷の家の露地の一画のお宅を写生して届けたら、そちらの女主人も画家だったそう。息子さんは作曲家で一緒に訪ねた娘はびっくり。あげくに私のことも話題になったらしい。狭い庭ながら和洋の木の花、草の花が季節ごとに咲いていて、声をかけたことがあったから。
       
わたしは贈り物は漆器と決めていた。本当にいいものはやはり100年以上前にある。迷ったあげくに新手を選んだ。後悔が残る。学ぶべきことは多い。